kobutayabutaのブログ

アメリカで、ギルド、ビーに10年参加。

車中にて

初めの一歩

こんな風に、11枚横に繋ぎます。


先日、地下鉄に乗りました。

暫くして、おしゃれな服装の30〜40代の男性が乗ってきました。背筋もピンと伸び素敵な方でしたが、杖をお持ちでした。目がご不自由な様子。

私達の斜め前に立たれ、私達は、彼の背中しか見えません。

主人が、立ちかけると、彼の前に座った30代らしき男性が、立ち上がり「どうぞ」と。


杖の彼は

「貴方、お座りだったのでしょう?どうぞ、お座り下さい。私は、そういう人間ではありません」

そして、立ち続けました。


暫くして、私の2、3人横が、空きました。

杖の方の隣に立つご婦人が

「後ろが、空きましたよ」

「結構です。私はとう見えているのか、判りませんが、結構です」

婦人は、二言三言何かおっしゃいました。

「貴女は、しつこい方ですね。他のひとにも、言われるるんじゃないですか?

私は、結構です」


どの言葉も、とても静かに話されましたが、怒気が、含まれていました。


大きな駅に着き、私達は下車しましたし

声をかけた人達も下車しました。

杖の方は、やっと、座られました。

次は、終点です。


何となく、後味の悪い車中でした。



もう一つ

以前、友人とバスに、乗っていました。

スラリと美しい婦人が、ちょっと大きめの手提げを持って、私達の前に立ちました。

私達と同年輩と思い、私達は、座っていました。

突然、婦人が、

「あのー、すみませんが、私は80歳で、心臓の病もあります。席を譲って頂けませんか?」

友人は、起立っと言われたように立ち上がりました。

私の隣に座られた彼女は、

「これから、講演に行きますので」


女子大の前で、降りられました。

多分、講演を聞きに行く側ではなく

壇上に立たれる方なのでしょう。


爽やかでした。

友人と、私達は、長じて

あんな風に、言えるかしら?と。


昔、モスクワの空港の

入国審査場で、大変な混雑に会いました。

ルールもなく、押し合いへし合いになった時、主人も含め、何人かの人が

「押すな!離れろ!」と叫ぶ中

一人のヨーロッパのご婦人が、私のすぐ横で

「ごめんなさい。どうか私から1インチで良いのですが、離れて頂けませんか?」

一瞬、静かになりました。

彼女の声も、小さく静かでした。


世の中は、想定外に満ちています。

出来れば、穏やかに

やり過ごしたいものです。