kobutayabutaのブログ

アメリカで、ギルド、ビーに10年参加。

今日もチクチク


チクチクしながら、

アン・ロングの事を、思った。

彼女に会った時は、彼女は、80代半ばだったかしら?

私の母親の年代でした。

何故か、私達は、すぐ仲良くなり

家を、行ったり来たり、話し、笑い

時々、映画にも行きました。


尊敬し、憧れだった

ジェーン・ワーグナーが、78歳で亡くなった後

彼女の娘が、ジェーンの残したキルトグッズを、衣装箱3つ程、持ってきました。

「みんなで、分けて欲しいの」


私は、黄色の地色に4パッチが、縫い合わされたキルト・トップに目が行きました。

私は口にもしました。

「あー、それが、欲しいな」と。

みんなは、私とジェーンの関係も知っていましたし、誰もが、そのトップは、私の元で、ハンドキルティングされるだろうと、思っていました。

ジェーンの娘は、次々に、「これは、誰が?」と、未完成のキルトトップや布を持ち上げ、望んだ人に、託されました。


そして、あの黄色のトップが、持ち上げられると、それまで静かに見ていたアンが、突然「私は、このビーの最年長です。ジェーンとの付き合いも、多分一番長いでしょう。私が、それを頂きます」

みんな、私の顔を見て、驚いた様です。


ウェディング・リングとか、ログキャビンも、まだありましたが、私は

小さな布を頂き、しょんぼり帰りました。


翌週、ビーの帰りに、

アンが「家に、寄らない?」と

誘いました。

メアリーが「まこ。もしアンが、やっぱりジェーンのトップは、まこの方が良いと思うって、言ったら、遠慮しちゃ駄目よ!」と、耳打ちしました。

でも、アンは、その事には、

触れませんでした。


私は、美大出身で、画家として、インテリア・デザイナーとして、活躍したアンと、好みが一緒だったんだ、と思うようにしました。


しばらくして、

アンは、キルティングを終えた

例のキルトを持って来て、みんなに見せました。

「私も、歳ですから、今回はミシンキルトをする方に、頼みました」


みんな、白けました。


でも、私とアンは、仲良しで

アンの90歳の誕生日には、

日本からテキサスに行きました。

そして、暫くして、アンは、亡くなりました。


これは、スミレの種でしょうか?